『教育思想事典 増補改訂版』刊行記念フェア特設ページ

教育思想事典 増補改訂版』の刊行を記念し、10月1日(日)より紀伊國屋書店新宿本店にてブックフェアが開催されています。
お陰様で予想を上回るご盛況をいただき、書籍の売上も好調を記録しています。

紀伊國屋書店新宿本店3階・人文書フロアにて開催中のブックフェアの終了日は、11月5日(日)に決定いたしました。
ぜひ期間中に、紀伊國屋書店新宿本店 3階・人文書フロアにお越しください。

今後、勁草書房のホームページ、および公式Twitter上で、本学会員執筆のブックガイド解説文が公開されますので、ぜひともご覧下さい。

フェアの写真

【問い合わせ】
株式会社 勁草書房 営業部
〒112-0005 東京都文京区水道2-1-1
TEL 03-3814-6861 FAX 03-3814-6854
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勁草書房ホームページ:http://www.keisoshobo.co.jp
公式ツイッター:http://twitter.com/keisoshobo

New!「ブックガイド」のまえがき

松下良平(教育思想史学会会長)

教育思想にかかわる必読書のリストとその解説をお贈りします。教育思想史学会に所属する中堅・若手からの選りすぐりのメンバーが、その任に当たってくれました。

ブックガイド

今日、学校教育をはじめとして教育に熱い期待が寄せられています。かつては学生による自主的な学びに任せていた大学も、今やすっかり様変わりして教育熱心になりました。しっかり計画された教育があちこちで繰り広げられることによって、若い世代の将来は安泰だ。こう言いたいところですが、ことはそう単純ではありません。教育の内実こそがそこでは問われるからです。

経済の停滞やグローバル化や少子高齢化や人工知能の進歩などの影響により、社会はドラスティックに変わりつつあります。その先行きがあまりにも不透明で不確実なために、これまでの教育を手直しするだけでは、激動する社会を「生きる力」にはつながらないのでは?――このような問いが切実なものになっています。既定の道をひたすら前へ進むための教育。その教育のあり方を根本から問い直さなければならない局面に差しかかっているということです。

ところが現実には、そのような問いを封じる風潮が広がっています。近未来の社会で役立ちそうな知識や能力・スキルを身につけさせれば教育は十分である、とする考え方が社会を席捲しつつあるのです。そのため教育する側も、政治や顧客が求める教育成果を目に見える形で出すことに躍起になり、そのことが何を意味するのかを考えない傾向が強まっています。人びとは教育について熱く語ることもなく、教育を単なるテクノロジーの問題とみなし、どのような手段を用いればどのような成果が得られるか、ばかりを考えます。さまざまな方法をまずは試して、その成果をデータでチェックし、よいデータが得られたら怪しげな方法でも受け入れ、課題が残れば新しい教育政策を次々と政治主導で導入していく。――こうしたプロセスが、教育現場の悲鳴や多様な声を無視して淡々とくりかえされています。そこでは多くの人びとは、データに一喜一憂するだけであり、そこで身につけた学力や規律がどのような知性や社会性につながるのか、改めて問おうとはしません。

しかし教育思想は違います。教育をテクノロジーの問題に還元できるとみなす教育観がどこから来たのか、人間や社会に何をもたらすのかについて探究します。教育についての狭く硬直した見方を打破するべく、現代人に自明のものとなっている西洋近代由来の「教育」を相対化し、それとは別の教育の可能性を開示し、学校教育の特異性を暴きだし、教え学ぶことと生や死との深い結びつきに迫るのです。

このブックレットを読まれた方々が、当たり前の世界の外側へと誘われていくことを願っています。めくるめく多様で奥が深いけれども、もっと見通しがよく、伸びやかになれる場所へ。